NPO法人 丹南市民自治研究センター

福井県丹南地域にある市民活動のNPOの活動報告ブログです。

市民自治セミナー 「子ども 子育て 新システム」 200名が学ぶ

財源一元化で、子どものためのサービス確保に疑問
市町村や利用者による現金給付と現物給付の選択? 大丈夫か
急がれる現場の声の反映 来春に法案提出の動き

今、霞が関では、行政刷新担当大臣と少子化対策担当大臣を共同議長として「子ども、子育て新システム検討会議」が開かれ、幼保一体化を含め新たな次世代育成支援のための包括的、一元的なシステムの構築について議論され来春の国会に関係法案提出の方向です。

この新システムは、幼保一体化、学童保育、病児保育なども含め、他の子育て支援システム全体の制度改正を行おうというもので、一部の研究者からは、かっての高齢者の「介護保険制度導入」にも匹敵するような、子育てシステムの革命的な制度改正につながるものとの指摘もあります。

9月22日、NPO法人丹南市民自治研究センターでは、このシステムは今後、地域の子どもたちの未来や自治体の子育て支援政策に大きな影響をあたえるものとして、市民セミナーを開催し、当日は地域関係者、自治労関係者など200名の参加者が新システムの問題点や現状について学びました。

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講師の秋野さんは、子ども.子育て新システムの基本制度要綱案を中心に、中央で検討されている内容を紹介し、次のような問題点も指摘しました。

今回の制度設計では、市町村の裁量が拡大され、子ども子育てに関する財源が一元化され市町村に一括して交付されるイメージだが、無条件に一括交付されると、現在の具体的な子育て事業サービスそのものが維持されなかったり、その財源が子育て以外の事業に廻されたりする可能性がある。

また、子育てに関する現金給付と現物給付の選択を市町村に自由に選択させたり、利用者の選択となると安易に現金給付が選択され、社会的養護の部分が軽視されてしまう。子どもは、その制度や給付のあり方を自分で選ぶ事は出来ず、結果について自己責任を求めることはできない。

保育所や幼稚園などが「こども園」として画一的に統合されることも問題がある。また、それら事業を誰でもがやれる方向だが、結果として営利追求型となり介護現場の労働者不足のように労働条件劣化などを招く心配がある。人が人をサービスする福祉事業に市場主義の追求はなじまない。

民主党の新政権は、来春に法案提出、平成25年度から施行を目指しており、残された時間は少ない。早く現場の声を集約し、政府の検討会議に反映しなければならない。

セミナーでは、質問も多く、このような大きな制度設計の変更なのに、関係者に何も知らされず、早々にして決められたり、現場の声も反映されない拙速な進め方にも不安との声も出されました。また、関係者がより多くの学習会を開き、現場の声をより多く関係機関に働きかけようとの呼びかけもされました。

当日の市民セミナーは下記の体制で取り組まれました。

日時 9月22日(水) 午後6時30分から8時頃まで
会場 越前市福祉健康センター4階 多目的ホール
講師 自治労中央本部社会福祉協議会 事務局長 秋野純一氏
主催 NPO法人丹南市民自治研究センター 自治労福井県本部 鯖江職員組合 越前市職員組合
協働団体 NPO自立支援ネット NPOエンジェルキッズ NPOえちぜん NPOケアサポート春駒 病児ケア施設ままのて 社会福祉法人越前自立支援協会

 


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