NPO法人 丹南市民自治研究センター

福井県丹南地域にある市民活動のNPOの活動報告ブログです。

講演会「平和と人権のゆくえー改憲草案を考えるー」

 どうなってしまう 基本的人権、日本の平和 160名が学ぶ

 国防軍とは? 緊急事態の宣言とは?  
 改憲草案に対して、会場から不安の声

 

   NPO法人丹南市民自治研究センターでは、改憲にまつわる議論の高まりとともに、憲法そのものへの関心も大きくなっている今、平和を希求し、私たちが法の下に平等で、個人として自由に生きることを保障している現憲法について、一緒に考えていきたいという思いで、6月20日、越前市福祉健康センターで講演会「平和と人権のゆくえ-改憲草案を考える-」を開きました。
 20代から80代の幅広い年代の市民160名が参加し、あらためて自民党改憲草案の内容に驚くとともに、特に若い世代が真剣な眼差しで聞き、不安そうに顔を見合わせていたことが印象的でした。 

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 講師の円居愛一郎弁護士からは、憲法改正で私たちは幸せになれるのかという視点で、「立憲主義の放棄」と「基本的人権の制限」という2つの大きな課題を中心に、自民党改憲草案の説明がありました。

立憲主義の放棄」については、第1条で天皇を「日本国の象徴」とした現憲法に対し、同草案では「日本国の元首」として規定されています。また、同草案では国旗・国歌の尊重を第3条の中で規定しています。

 「基本的人権の制限」については、「第2章 戦争の放棄」を同草案で「安全保障」とし、第9条の2を新設し、国防軍の設置について規定しています。国防軍は集団的自衛権を行使するとともに、公の秩序を維持する国内での活動も行うことも規定されており、国防軍の保持や緊急事態の宣言の名のもと、国民は政治権力に支配される危険性があることを話され、表現の自由などの国民の権利が制限されることを学びました。

講師は、今日の講演会で感じたことを家族や友人に伝えてほしい、それをさらに伝えてもらい、広がれば大きな力になる、と講演を締めくくられました。

 会場からは、自衛隊は軍隊ではなく違憲ではない、憲法第99条に対する改憲草案第102条に関して講演で触れられたのは初めてである、表現の自由に関する国連の調査報告について僅かの時間しか報道されなかったが、日本の報道の自由は脅かされているのか、憲法9条の議論の陰でそれ以外にも多くのことが改正されようとしているが、何をしようとしているのか、どこへ向かっているのか、国防軍や緊急事態の宣言など明治返りと一部で言われているように国が国民を支配するようなことになってしまうのではないか、など5名の参加者から質問や感想が寄せられました。

 6月22日に公示される参議院選挙では、憲法改正に必要な3分の2の議席を現在の自民.公明の連立政権が獲得するのかどうかが注目されています。

安倍首相は、昨年に「集団的自衛権」などの安保法案を強行可決するなどしましたが、その進め方は圧倒的多数の憲法学者からは「立憲主義」を大きく逸脱するものとして「違憲」と指摘されました。

そうした動きの中で、「自民党改憲草案」も以前に公表されており、その内容は国防軍の設置をはじめ、現在の平和憲法とは相いれない部分も数多く含まれています。そうした政治状況の中での今回の市民セミナーでした。

 
NPO法人 丹南市民自治研究センター 講演会

自民党 改 憲 草 案 を 考 え る

 

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○ 日 時 平成28年6月20日(月)18時30分~

○  越前市福祉健康センター(アルプラザ武生4階)多目的ホール

○ 参加費 無 料

○ 主 催 NPO法人 丹南市民自治研究センター

○ 後 援 福井県地方自治研究センター   越前市職員組合 自治労丹南連絡会

            福井県平和環境人権センター   中部地区労働福祉平和センター
            連合福井丹南地域協議会


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